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2007年08月28日

伊豆大島にケーナは響く

ろんがあは吹く楽器が好きである。

伊豆大島にケーナは響く

いちばん好きなのはソプラノサックスで、かれこれ10年以上前から吹き始めた。
いかんせん独学なのと、週末にしか音出しができないので、
いまだ初級者の域を脱せないでいるが。

少し前に映画「スイングガールズ」がヒットして、
世のお父さん方の一部で管楽器ブームが起こっていた。
このときは「オオ!貴方も始めましたか、がんばんなさいね!!」と、
ちょっと先輩面をして好ましく眺めていたものだ。

しかし、当時勇気ある一歩を踏み出し、楽器屋さんで初めてサックスを手にした方も、
今では押し入れの肥やしにしてしまっているという人が少なくないだろう。

というのも、サックスなどの吹奏楽器は音がでかいので、
住宅地の小さな一戸建(ウチのような)では夜になって音出しするなんてもってのほか。
吹けるとしたら休日の昼間、ご近所になるべく音が漏れないように。
情熱のある人は練習場所を求めてカラオケボックス通い‥‥という感じなので
思うように練習できず、練習できないと上達できず、
いつか押し入れに入りっぱなしになりがちなのだ。


しかし、休日に屋外で思い切り音を出すのは気持ちいい。
遠くまで響いた自分の音が跳ね返ってきて、こだまするのはなかなかの快感だ。
これを大自然の中、キャンプでも楽しめたら‥‥というのは貸し切り状態のキャンプ場でない限り難しいだろうなあ。

そこでろんがあは考えた。

●音量は大きすぎず
●コンパクトで持ち運びが便利で
●デリケートすぎず屋外でも使える
そんな「吹く楽器」を試してみようと。


まず、最初に入手したのがケーナ。南米のインディオの使う縦笛だ。
「コンドルは飛んでいく」で使われているといえばおわかりだろう。

素材は南米の葦、竹、木、牛骨製で、濡らしたりショックを与えたりするのはタブーだが扱いはさほど神経質になる必要はないようだ。
大きさは直径約3センチ、長さも40センチ足らずだから持ち運びは抜群だ。
竹製の入門用なら3千円くらいからある。1万円も出せばそこそこのものが手に入る。

吹き方は日本の尺八とほぼ同様で、音を出すまでやや練習が必要だ。
最初は息が音にならず、苦戦するかもしれない。
だが息の太さや方向、スピードを少しずつ変えていき、
鳴るポイントがつかめれば、音は出るようになる。
いい音が出せた時はそれだけでも快感がある。哀愁のあるいい音色だ。
運指はリコーダーに近く、ドレミの音階は勿論、シャープやフラットも出せる。
(上手ければ(^^;)
シンプルな曲なら比較的簡単にマスターできるだろう。

実は前記事の「楽園キャンプ場」で紹介したトウシキキャンプ場に
安い竹製のものを持っていったのだが、
誰もいないキャンプ場でロングトーンの練習(単音を長くのばして吹いて、きれいな音色を出す練習)をしていると、高音域が思いのほか響き渡った。

日本の篠笛や尺八とも通じる侘び寂び、
それでいてアンデスの高原を吹き渡る風のように独特の寂寥感を湛えた音色が、
伊豆大島の亜熱帯を思わせるような密林の上に‥‥
なんていうのは大げさだが、とにかく気持ちいい音で鳴ったわけだ。

気持ちよかった反面、他にキャンパーがいたら顰蹙かもしれないなとも思った。
下手さ加減で迷惑になることは勿論なのだが、
山に反響している感覚があるくらい、音も思ったより遠くまで飛ぶのだ。
夜に吹いたら「うるさい!」と文句が出ることだろう。

でも、その分快感も大きいのだから困る。
誰にもうるさがられず、むしろよろこんで聞いてもらえるような腕前になれば
何の問題もないのだが、それがいちばん難しい。


ほかにもオカリナや篠笛、ハーモニカなど、ちょっとずつ紹介していきたいと思う。
(つづく)



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Posted by ろんがあ at 21:28│Comments(10)音楽
この記事へのコメント
キャンプ場で上手な演奏が聴けるとすごーく得した気分です。

ケーナなんてまさにアウトドアにぴったりですね!

私は楽器は何にも弾けませんが、誰もいないキャンプ場で
楽器を弾くのは気持ちいいでしょうねー。
Posted by kimatsu at 2007年08月28日 23:10
僕はアルトです!
奇遇ですね!
学生時代は軽音楽部のスタジオか、貸しスタジオ、それと人気のない代々木公園の歩道橋の下とかで練習してました。

いまは、またまた、ろんがあさんと被ってますが、篠笛の七本調子というのを愛用して、人のいない山の中で吹いてます♪

ケーナに似てます♪
Posted by ユウ at 2007年08月28日 23:32
kimatsuさん、どうもです。
楽器は単に音を出すだけでも気持ちいいものですが、演奏に自信がでてくると人に聴かせたくなる‥‥
未熟なろんがあは恥ずかしくてまだまだできませんが、kimatsuさんの出会ったサイドカーのギタリストは、きっと聴衆を楽しませて快感を感じてたんじゃないかな?
音楽を聴くのは楽しいですが、演奏するともっと楽しいものです。kimatsuさんもいかが?
Posted by ろんがあ at 2007年08月29日 11:23
ユウさん、どうもです。
うわ〜!ユウさんもサックスプレイヤーでしたか!!
(もう下手なことは書けない(^^;;)
しかも篠笛をご愛用とは!!!
実はろんがあもプラスチック篠笛(唄用)の七本調子を持っています。
ほとんど吹けませんが(^^;
そのうち篠笛もちょっと紹介しようと思っていましたが、ユウさんのCLUB natureで話題にしては?
Posted by ろんがあ at 2007年08月29日 11:38
今まで「コンドルは飛んでいく」はオカリナだと思ってました(^^ゞ
ケーナというのがあるんですね、私も楽器はまるで駄目なので知りませんでした。

昔キャンプ場で巨人vs阪神戦の中継が聞こえてきた時は腹が立ちましたがこうゆう楽器は聴いてみたいです。

練習に貸切のキャンプ場を狙うなら台風時しかないでしょうから林道カフェが良いかも知れませんね^^
Posted by 横道 at 2007年08月29日 19:52
横道さん、どうもです。
そうですね、誰にも迷惑をかけない「林道ミュージックカフェ」いいかもしれませんね。あれっ、こんなネーミングだとコンポを林道に持ち込んで音楽鑑賞みたいですね。
でも、寒冷前線には気をつけるようにします(^^;
Posted by ろんがあ at 2007年08月29日 20:32
ひとけのない林道でどこからともなく笛の音が聞こえたら、、
アクセルを開けて逃げてしまうかも、、です。(^^
Posted by kimatsu at 2007年08月29日 21:28
それがえも言われぬ妙なる音色なら、怖いでしょうネェ。でも、ろんがあの場合は笑いを誘う自信があります(笑)
Posted by ろんがあ at 2007年08月30日 00:05
実は篠笛を始めたきっかけは・・・kimatsuさんが書かれているように、北アルプスの黒部の奥に赤木沢という場所があって、そこでビバークしているとき夜中にどこからともなく聞こえてきた笛の音がものすごくきれいだったからです(^^;; 最初はゾクリとしましたが・・・帰宅してから笛の音を調べて、その音が篠笛のものだと判明し、さっそく楽器屋で購入・・・まだまだ練習中です(笑)
Posted by ユウ at 2007年09月02日 00:16
それは怪談クラブの話題ではなくて、本物の笛吹がいたのですね?谷をわたる笛の音はさぞかし‥‥今度はユウさん自身が人を魅了する笛吹の側にというわけですね。
Posted by ろんがあ at 2007年09月03日 22:45
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