1キロ先まで響く横笛

ろんがあ

2007年09月05日 15:44

ろんがあは笛が好きである。



サックスは管体が真鍮製なので金管楽器と間違われることが多いが、実は木管楽器。
マウスピースにセットした葦のリードが発音体になっているので
みかけは金管でも木管楽器なのだ。
一番近い仲間はクラリネットで、その次がダブルリードのオーボエやファゴット。
(東儀秀樹で知られるようになった雅楽のダブルリード「篳篥(ひちりき)」も
遠い親戚のようなものだ。ろんがあもいつか吹いてみたいなあ)

これらは大きいくくりでいえば縦笛といえないこともない、とろんがあは思っている。


縦といえば横。

横笛のいちばん進化した形といえるのがフルートだろう。
ゴチャゴチャとたくさんキーやレバーがついて、
chromatic(半音階)な演奏ができるようになっている。
フルートも洋白(銅合金)、銀、金などの金属製であるが木管楽器の仲間。
こちらは祖先のバロックフルートなどが木製だから納得できる。

横笛族も仲間が多い。
ピッコロはフルートの妹のようなものだが、中国の笛子や雅楽の龍笛など、
世界各地にお母さんやお祖母さんのような親戚も多い。

日本では、お囃子などで使う篠笛がお馴染み。
実はこの篠笛が、アウトドアで楽しむ楽器としては最右翼ではないかと
ろんがあは思っている。
篠笛は篠竹(女竹)を数年乾燥させたものでつくられる。
天然のものなので、一本一本太さや肉厚などが微妙に違い、
職人のカンがものをいう世界らしい。
また乾燥させた篠竹は、過敏というほどではないが、
衝撃や急激な温度変化、乾燥しすぎ等には弱く、
ある日触ってもいないのにピシッと割れてしまうこともあるそうだ。

それじゃキャンプなどに持って行くのはためらわれるなあ、
と思ったらいいものがあった。
プラスチック篠笛「飛天」である。

プラスチックというと玩具みたいに思われるだろう。
値段もほとんどの店(ネット通販でも)で1,800円前後だし。

でもこの製品は教育用として作られたもので、決して玩具ではない。
それどころか篠笛吹きの間でも結構評判がいいのだ。

そもそも型を取る元になった篠笛の出来がいいらしい。
唄口の設計がよくて、音を出すのが比較的簡単、開放的な音色で音量もある、
下のオクターブと上のオクターブのピッチの良さは下手な本物の篠笛をしのぐほど、
だそうだ。
プラスチックとはいえ馬鹿にできない。

本物の篠笛は個性や当たりはずれもあり、
普通は楽器屋さんで一本一本試奏しながら選んで買うものだそうだ。
しかしプラスチック製は製品のばらつきがあまりないので通販で気軽に買える。
(値段も値段だし(^^;)

ろんがあも通販で買ってみた。
まだちゃんと練習はしていないが、ケーナの吹き方でもいきなりいくつかの音が出せた。
オクターブ上の音階はまだまだ音にならないが、出せた音では思ったより音量がある。
夜の練習はためらわれるほどだ。


篠笛にはお囃子用と唄用があり、お囃子用は独特の音階、
唄用はほぼドレミ‥‥の西洋音階(多少ズレがあるので吹き方でカバーする)。
また一本調子・二本調子・三本調子‥‥という笛ごとのキーがあり、
八本調子がおよそC管、七本調子がB管、六本調子がBb管にあたる。

ちなみにこのプラスチック篠笛「飛天」は唄用の七本調子。
ほかに八本調子もあるようで、西洋楽器と合奏するなら八本がいいようだ。

もちろん音の深みだとかは竹製にはかなわないのだろうし、
ある程度吹けるようになったら本物の女竹の篠笛が欲しくなるだろう。
だが、入門用としてはプラスチックで充分。
それになんといってもプラスチックは滅多なことでは割れず、
水でジャブジャブ洗えるというのがアウトドア向きだ。

一つだけ難点がある。
篠笛は、名手が吹くと1キロ先まで音が届くというほど、良く響く。
プラスチック製でもかなり響く。

つまり、人様に聴かせられるような腕前になるまで、
人のいるキャンプ場で吹くのは顰蹙を買うかもしれないのだ。





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